手書きアニメをより手書き風にしてみるテスト
コンピュータを使うと手書きアニメも比較的手軽に作ることが出来ます。あくまでも比較的、です。
手書きアニメを作るソフトウェアはいくつかありますが、僕はFlashを使っています。
最近はwebコンテンツの為のプログラム部分が取り上げられがちですが、地味なフレームバイフレーム(つまり一枚づつコマを描く)やキーフレームアニメーションを作るには使いやすいソフトだと思います。
今回はこんな感じでキーフレームを打たずに一枚ずつ描いていきます。動きによって一枚の絵を何コマ見せるかプレビューして調整するのですが、そのプレビューがやりやすいです。オニオンスキンできるのもコツコツ描いていくには便利ですね。気になるのは描画線のプレビューが遅いことくらいです。描いた線がその場で定着せずに、一旦軌跡を描いてから確定するので、勢いに乗せて描くというわけにはいきません。アンチエイリアスをオフにしていても同様です。
どんどん描いて、フレームを足したり間引いたり、足りないコマは書き足したりしていきます。先にコンテを書いておくのは言うまでもありませんが、動いて見なければ判らないことは多々あります。
Flashで作ったアニメーションを一枚づつシーケンス画像として書き出します。After Effectsで効果をつけるためです。
swfはベクターデータでデータサイズも小さく、webで扱うには便利ですが、ビデオにしてテレビなどで見るには面倒なのと、エッジがきつすぎるような気がするのです。
シーケンスのフォーマットはIllustrator形式が後々便利だと思われます。その際にαチャンネルによる透明度の設定は無視されてしまうので、Flashで思うままに作っていて透明度の調整をした絵を作ってしまったならば、無視するか、PICT形式やBITMAP形式などのラスター形式を選択しましょう。その際はαチャンネルを含むようにチェックしておくといいと思われます。
ちなみに表示している画像はswf形式ではなく、JPEG形式(ラスター形式)です。

シーケンスで書き出すときに輪郭線と塗りの部分は別々に書き出しておくと効果をつける時に幅が出ます。

After Effectsにシーケンスを読み込みます。色などの調節もしますが、動きの調整もしています。
判りづらい画像ですが、影のエッジをぼかしています。塗りのシーケンスをぼかしているだけですが、ぼかしだけだと塗りの全てのエッジがぼけてしまうので、それをカバーするために同じ塗りのシーケンスを下のレイヤーに入れておきます。
上のままでも手描き風、というよりも手で描いているのですが、より手で描いた感、紙に書いてスキャンしたかもしれない風合いを作っていきます。
輪郭線のシーケンスに標準プラグインのエッジ->スパイクをかけます。エッジであれば他の効果でも構わないのですが、その場合は元の輪郭よりも細い輪郭線を用意して輪郭の欠けた部分をカバーしたほうが良いと思われます。
塗りの部分には若干ノイズを入れています。
背景を足しました。今回は動きの実験だけなのであり物を入れてあります。その後、紙に描いてスキャンした感を出すためにやや彩度を落とし、ぼかしをかけます。
Flashのシーケンスをそのままムービーにしたもの。右の画像をクリックするとムービーが見れます。
After Effectsで効果をつけたもの。 右の画像をクリックするとムービーが見れます。