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【2011年10月23日公開】
上映時間約15分

music / ズボ
Animation, Direction / murbo
【本編】
【作るきっかけ】

簡単に言うと思いつきです。しかしそれではどうしようもないので、思いつくに至った経緯を書きます。
2010年半ば辺りからUSTREAMを使って映像生配信番組NAGARABITOをやっていました。僕は映像配信を担当していました。そこでMC担当のズボさんのアコースティックライブもちょいちょいやっていたのです。
ほぼメジャー曲のコピーでしたが、たまにオリジナル、たまに民話の語りと曲を織り交ぜた伝え話というものを歌っていたのです。

この伝え話に感銘を受けて…だと、なかなか感動できですが、あんまりそうでもなくて、よく出来ている構成で良いのは良いんですけど、僕自身は民話そのものに興味が無いので、響いてはいなかったんですな。 じゃ、なんでその伝え話に絵をつ
けることにしたのかと問うならば、毎度作ってるものが比較的攻撃的なものらしく見えるようで、一般的には良いように見られない感じだったので、所謂世間に媚びたかったのだ。

と、もう一つ、単純にこういう話の映像も作りたかったのだよ。それが良いものかどうかではなくてね。
この「おくわさま」は治水のための願掛けに人間一人を生贄にする話で、多分水害の多い地域にはよくある話だと思う。構成と台詞などが現代の視点で作られているので、若干妙なところがあって、その若干が凄く気になるんだけど、オリジナルを尊重してそのままにしてあります。

オリジナルというのはズボさんの作った伝え話です。
以前に作った「いのって!巫女らびゅ。」のアニメのようにこれもストーリー及び音源は僕のオリジナルではなく、全く別の制作物なのです。

アニメを作りつつ、気になりすぎたので出来れば直したかったのだけど、色々諸々事情があり、新規にレコーディングする事が出来なくなったため、あえてライブ演奏のままとしてあります。数箇所歌詞を噛んでるところは摘んでますけど。
あ、ノイズ入れたりEQかけたりしたな。REC状態が悪いのを、それが前提ということにしてあります。

【制作について】

だらしなく書き始めてしまったために、キャラクターの書き分けが出来ていなくて、誰が誰だか分から無いかもしれない。
それくらいいい加減に始めてしまい、気付くのが遅かったです。
あまりにダメなものは描き直したけど、気にしだすと全部書き直さなくてはならないので、中途半端になってしまった。

最初からフレームバイフレームで手書きしない事にしていたので、自然現象とカメラ以外は動いていないです。作りながら、バカなおっさんとじじいにそそのかされておくわさんかわいそうだな、もうちょっと演出的に言い方あるんじゃないかとか、当時の農民は人柱に対してかわいそうとか思ってないんじゃないかとか、だからって人柱イェーイ!ヒャッホゥー!とも思ってないだろうけどさ。

で、最後の死んだおくわさんだけ動かす事にしたんです。
生きてる人は動かなくて、死んだ人は動く。そして生きてた人は後世に残らず、人柱になったおくわさんは後々まで残る。てなところをですね、物語に介入できない僕が、せめて何とかしてあげられないかなと思ってこういうふうにしました。

だって、この話で一番のガンは推参する行者で、二番目は頭の悪い、しかし、当時はこういう風にしか判断しようが無い村の人々じゃん。自分たちから一番遠い世代の人に責任負わせてるだけじゃん。あー、現代と差が無い。どうしよう。

実制作としては、紙に絵を描いてスキャンしてPainterというソフトでぺたぺたとパソコン使ってるのに一々筆(正確にはペンタブレットだが)で塗り、あえて筆目を出している。
どうせ絵は止まっているのだから多少は手を入れたほうがいいんじゃないかと思ってやってはみたが、Photoshopなどのべた塗りツールでぱぱっと塗って、後から手書き風のテクスチャを合成しても差が無いかもしれないと気付いたのは、全てが終わってからだ。
実際に一番最後にラフに作ったノイズ画像を全体にかぶせてある。

着色作業をしている所を数回USTしていた映像です。





動いているカットは紙に描いてからFlashで中割したり修正したりしている。それをAfterEffects(以下、AE)でさらに背景などと合成。これは主におくわさんの最後のシーンだ。
それ以外でカメラや全体が動いているシーンは素材をばらして紙に描いて、Painterで色を付け、Photoshopでレイヤー分けと若干の修正をしてAEで合成している。
AEでの合成作業

いくつかアプリを横断するために複雑な事をしているようだが、一つずつの作業をそれぞれのアプリに担当させているに過ぎない。Painterの彩色部分をPhotoshopが担っても問題ない。手書きすらPhotoshopでやってもいい。今回はたまたまこうしただけだ。

AEでの合成作業

音に関しては映像と動機させる最終作業は、所謂MAなんだが、それもAfterEffectsで作業している。
最初の作業はPremireを使ってライカリール(ビデオコンテのこと)を作成する時に作業している。これで殆どあわせているが、製作中にカットのがなさが変わる事もあり、尺も短いので最終的にAEで行った。

音自体はableton Liveを使ってエディットした。DAWは何を使ってもいいけどパーソナルレベルでのサウンドトラック製作にはableton Liveは向いていると思う。
音に関しては映像以上に手探りで、毎度、感だけを頼りに作業している。

音も映像が決定後アフレコのような状態でAbleton Liveを使ってMA作業も出来る。

前回作ったドキュメンタリー辺りから映像の解像度を上げていて、一応フルHDで完パケはしている。公開がYouTubeしか利用していないのでオリジナルを公開する事はほぼ無いだろうけど、今後フルHDで公開できる日が来たらいいかな。

でもね、作ったそばから反省ばかりでどうしようもなく、毎度毎度、恥ずかしいものを見せてすみません。です。

次こそがんばります。