何度目かの、座頭市あばれ凧を見た。

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座頭市あばれ凧 (英題/zatoichi`s flashing sword 監督/池広一夫 1964年 日本)
すっかりキャラクター化された座頭市で、ここで楽しむのは痛快ヒーローものだ。絵作りが当時の流行っぽい感じになっている。見せたいものを正面から撮るような。
髪の毛は五分刈りを放っておいたら伸びたような感じ。太ってきたのも何となく見てわかるくらいになっている。徐々に良くいわれる勝新の演じる座頭市の見た目が完成しつつあるといったようなものか。
行きずりの子どもに飴を買ってやるシーンは子供は一人だと思っていたら十人くらいいたというオチを子どもを全く見せずにすませ、そのあとに続く市が穴に落ちるシーンで子どもを全員見せているが、後半への布石なんだろうね。穴に落ちるシーンは雑なカット割りと演技でダメっぽい感じがする。なんでこんなのにしたんだろう。
水中戦の描き方が良かった。今ならもっと直接水の中の戦闘を描けるだろうが、そこをややファンタジックというか、カットを多めに割って何を見せたいか、ここでは市の無敵ぶりを描いている。
寡黙で影を背負った感じはどんどん消えていき、割としゃべり、説明的な傾向がある。皆の知る、こうあってほしい座頭市の姿と映画じゃないかと思った。そういうのがこの先も続く。
映画の最後は一件が片付いて女を置いてまたどこ多へ旅立つこれまでとは違い、敵を倒したところで幕になっている。凄惨さが出てこれもいいなと思いました。

zatouichi07011200

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