弾射音さんの小説パッチワールドの表紙を作ったときに、宇宙船アポリオン3を3DCGで作っていたので居住ブロックが回転するのでアニメにできるよと弾射音さんにメールを送り、出来たらいいねということだったので、セルフパブリッシングの宣伝で映像でも何とかできたらという思いもあり、15秒で手持ちの素材の流用で出来る範囲で何とかなるんじゃないかと思って作ってみました。詰め込みすぎたので30秒で完パケになりました。
何とかなる想定の一つとしてNASAの写真などが流用できるのではと思ったのも一つです。
あ、今回はですます調だね。
ざっと流れを字コンテとして書き、必要なものを書き出します。なにせアポリオン3の居住ブロックを回転させたいだけなので、新規に作りこむことは出来るだけ避けたいのです。
地球や宇宙船内部はNASAから拝借し、人型は宇宙キッドで作った研究所所員を改造しています。
ライカリールはiOS版のSketchBook Mobileで描いたものを並べています。今回は絵を先に作っていて音のことは、流用できる効果音の範囲で出来ることとか使えそうな音源を思い出しながらどうにかしようとしていました。
patchworld cm demo from murbozero on Vimeo.
そして絵に合わせて効果音とBGMをつけます。まあこんな感じというところで、簡単なアニメーションと効果をつけます。
やることは中央の居住ブロックを回転させることだけなので本当に簡単なアニメーションです。せっかくなので宇宙船ごと前に進めて動いているようにも見せています。さらにせっかくなので太陽光発電パネルも軽く動かしています。
宇宙は真っ黒なので楽というのも作れるんじゃないかと見積もった理由です。空気が無いので色がにじまないことは演出で逃げることが出来なくなる要素の一つですが、それでも適当に逃げられるかなと思いました。宇宙船間ヤマトなんかリメイクでも宇宙に重力があったってボロクソ言われないからね。まああれは権威がモノを言わせなくしているともいえるけどさ。
NASAの写真などが無料で使えることは知っていたけど、使うタイミングが無かったのでこの機会に利用してみました。
量が多いことと、検索が使いづらいのでベストの写真を探すには苦労します。
今回はこれを使いました。
このままではあんまりなので加工していきます。
手前に光のおっさんがいることにしたのでおっさんの光のあたりそうな部分だけマスクして暗くします。彩度も落としました
作っているときは試行錯誤しながらなので順番は違うのですが、重なっている画像の下から順に書きます。光が緑なので影も緑にします。
光のおっさんは文字で出来ていてその文字がスクロールしているので影もスクロールさせます。同じ素材を使って影のほうを変形させています。緑の光もおっさんの形のマスクを変形させています。
光のおっさんを作ります。これは光のほけ足です。
もう一つ乗せます。同じ素材のぼけ方と合成モードを変えています。光のおっさんの素材は人型にスクロールするテキスト画像を貼って作りました。
フィルムノイズを入れます。これはどうしようか迷ったけど、簡単に雰囲気を出せるので、気楽に入れてしまいました。
アポリオン3は居住ブロックの回転以外に推進装置も気にして作ったので、がんばって作ったところ見てくださいー!という気持ちで飛んでいくところも入れました。
あえてLightWaveでは光らせずに素材だけ作ってAfterEffectsで光らせました。その前にコントラストなどを調整しています。
光っている部分だけ別でレンダリングした素材を乗せて加工します。
伸びる光も光ではなくオブジェクトです。パーティクルじゃなくてもいいことと、コントロールがしやすいこと、何よりできるだけ新規で素材を作らないことが今回の目標でもあるので。
全部素材が合成できたら全体の色を調整します。本の表紙イメージをそのまま再現したいので同様に緑を載せています。その辺りは表紙のメイキングを参照いただきたい。
光のおっさんシーンと同様に安易ではありますがフィルムノイズを乗せます。
伸びる光の素材などタイミングを結構間違えてレンダリングしていたので、やり直しに時間が取られてしまいました。
映像のタイミングや合成などを作業しつつ、ナレーションも発注します。今から思えば村井邦明のモノローグにすれば自分でやればいいからその場で出来たな。まあ、発注もどのようにしたいのか説明すると自分で自作を理解しやすくなるからいいんだけどね。
ナレーションは声が欲しいときに結果として毎度のようにお願いしている人ではなく、JAZZなどを歌っているボーカリストの中村亜綺さんにお願いしました。予算などの都合で自宅でリニアPCMレコーダーでRECしてもらい、データを送ってもらいました。結構致命的なノイズが入っていたけど、まあ何とかなると思ったので、演技の感じでテイクを選んで絵に合わせて文節を調整しました。
メールなどで発注するときはディレクションを分かりやすくするように参考の映像などを書いておきます。細かいニュアンスをがんばったところで無駄なので大雑把にこんな感じとして、あとは演者に託すようにしています。いいのか?と思うかもしれませんが、そもそも託せる人を選ぶのですよ。
で、何とかなるのは、もともとノイズを入れる予定だったので、元のノイズを利用できればということです。音声自体の聴きやすさは気にしていなかったので、何度か聴いて理解できれば良い程度にしたかったし。で、加工はこのようにやりました。
主にエフェクトをつけて加工します。モスクワ放送をうっかり受信した感じを思い出しながらフランジャーやスクイーズやリバーブをかけます。ヴァイナルのノイズも混ぜます。Ableton Liveのヴァイナルノイズは一生鳴り続けるので別のトラックに入れてノイズだけRECして別のトラックにしました。ノイズの量をタイムラインで変化させながらRECしています。
効果音とBGMはこれまで作ったストックと流用です。そのままもあれば加工しているものもあります。
これらを全部まとめてレンダリングしてエンコードしたら完成!です。
パッチワールドの宣伝映像ですが、ものすごく短い映像化のつもりで作りました。
patchworld cm fix from murbozero on Vimeo.
買ってね!