ボックスアートについてと展覧会のお知らせ

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展覧会のお知らせのために大盤振る舞いでプラモのボックスアートのようにレイアウトしたよ。大盤振る舞いな点は絵のサイズが大きいのだよ。メーカーのマークも勝手に作ったね。
ということで、3DCGのイラストと映像の展覧会に参加しまーす。
初日の5/28と最終日の6/3に在廊してます。
ギャラリー#1010で僕と握手!約束だ!

東海3DCGクリエイターズ作品展
会期/ 5/28〜6/3
開催時間/14:00〜21:00(最終日20:00)
休館日/ 5/30,5/31
会場/ギャラリー#1010
名古屋名城線「矢場町駅」から徒歩5分
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#T3C2018

ボックスアートは今も昔も変わらずかっこいいよとプラモとSFオタクのおじさんに言ったら「昔はよかったが今はだめだ!お前は話すな!」って言われたことを思いだしたので、そんなことないのになという文。

ボックスアートはプラモデル(というのは登録商標)の箱の絵を含むデザインのことで、殆どの場合は描いてあるイラストを指す。が、ユーザーの見ているものは絵だけではなくデザインも見ていて、その辺りを無意識のうちに指摘、批評していることが多い。
よく聞かれるのが、昔はよかった説だ。おじいちゃんでもないのに昔のボックスアートはよかった、ドラマがあった、小松崎茂のイラストを見よ。とくどいくらいに所謂マニア、今でいうオタクの年長者に言われました。今でも言う人がいます。えー!そんなことないよ、今のも、というか、昔からそんなに変わってないよと言ったら怒られました。
が、オタクの年長者が全然外れているのです。不正解です。間違ってます。オタクのおっさんの目は節穴と言わざるを得ないのです。
昔はよかったボックスアートの件では毎度小松崎茂さんの名を挙げられますが、この場合はほぼイマイのサンダーバードシリーズを指しています。タミヤのモーターライズの戦車や戦闘機のプラモは眼中にないのです。おっさん、この時期のプラモ買えてないじゃん、おっさんとはいえ当時は子どもだったりまだ生まれていなかったり、いくら何でも年齢が合わないよ、なのです。ドラマがあったという根拠は、そのプラモになってるアイテム以外のものもボックスアートに描かれていることと言われています。確かにそういうパッケージが多いのは確かです。しかし、それは今もプラモ創生期や最初にプラモが流行した年代(ミリタリーミニチュアからスーパーカーまで)でも変わりません。そのプラモブームそのものであるタミヤ製ミリタリーミニチュアシリーズ(要するに戦車のプラモ、以下MM)のボックスアートは最初から白い背景に、箱に入っている模型以外の絵は描いていない、通称ホワイトパッケージで、戦車兵などは模型とポーズも同じものが描かれていました。今も昔もこの基本デザインは変わっていません。
あえて昔はよかった、今はつまらないボックスアートだ。に同意できるとするならば、かつてのボックス……(そろそろ面倒なので箱絵と略す。)1970年代以降の主にタミヤ製モーターライズの戦車シリーズの箱絵から、箱に入っていない車両や兵隊が塗りつぶされていることですね。しかし、それはつまらないのではなく、箱絵が商品の入っている箱の一部であることが理由で、箱絵には中に入っている製品以外のものを描いてはいけないことになったのです。製品化している会社や開発している人たちが率先してつまらないものでよいと思ってやっていることではないです。
背景が描かれているだけでドラマがあるなんてことはなく、ホワイトパッケージとほぼ同じアングルで背景がついているだけの戦車のプラモなどはざらにありました。キャラクターものも同じです。ロボットの背景が風景か成人式の記念写真のバックシートのようなものか白いかの差です。その昔は良かった頃とガンプラ(も登録商標)ブーム突入時期はたいして変わっていませんし、当初のガンプラブーム時のガンプラの箱絵は昔はよかったオタクおじさんの言う、つまらなくなった箱絵状態なのです。何となくポーズを取って成人式のバックシートみたいな背景なのです。それでもこれを悪く言うちびっこもおっさんも皆無でした。
その後も昔はよかった小松崎茂の絵はよかった、サンダーバードを見よ、のオタクおじさんは、今の箱絵はダメだを繰り返す中、サンダーバードどころではないアグレッシブなイラストが採用され、グラフィックも大変コンセプチュアルなシリーズがリリースされます。バンダイ製ザブングルのウォーカーマシン(以下、WW)シリーズです。その萌芽はガンダム本編に登場しなかったMS(モビルスーツ)を模型化したシリーズMSV(モビルスーツバリエーション)からありました。一体しか入っていないのに同じMSが複数描かれていたり、背面から描かれていたりしていました。それこそ本編がないために、紙メディアではスペックや開発経緯などが公開されていても物語はなかったので箱絵がその役目を担っていたのです。これはプラモ創生期のメーカーオリジナルキャラクターなどでもあったことです。アオシマは創生期でなくてもバリバリに自社オリジナルのキャラクターの模型化をしていました。WWシリーズでは1/100スケール(当然実在しないので設定上の大きさから想定された架空の縮尺)をタミヤのMMのホワイトパッケージに倣ったデザインで更にコンサバティブにしたグラフィックデザイン、1/144スケールはイラストをタイポグラフィを分離したデザインで、イラストはMSV同様に物語に殆ど登場しないWW群の物語の補強として描かれている。ここでは箱に入っていないWWも人物も描かれているだけでなく、商品自体のWWを真上や真下から見たアングルなど勢いと雰囲気しか分からないものも登場した。あえて言うならドラマしかない箱絵だ。これが昔はよかったオタクおじさんの言う、つまらなくなった箱絵の時代の実際の箱絵なのです。やがてガンプラブームも落ち着き、それに続くはずだったWWやLガイムのヘビーメタル(という総称のロボット群)、ダンバインのオーラバトラー(という総称のロボットキャラクター)、ダグラム、ボトムズなどの同様のロボットキャラクターも徐々に下火になり、(これらはポストガンプラでしたが、ガンプラはそれ以上に売れていたのですよ。)同時に攻めたグラフィックとイラストの箱絵は鳴りを潜めていきました。
で、今、今って言ってももう20年くらい経ってますが、結婚式の記念撮影のバックシートを背景に何となくポーズをとったガンプラなども、回を追うごとに箱絵のグレードが上がり、玩具としての様々な規制を乗り越えて素晴らしい躍動感のあるイラストとコンサバティブなグラフィックを両立しています。これらに携わっている方々は当然、昔はよかったオタクおじさんと同様にその良かったものもそうでもなかったものも(実はこれは時代ではなく、メーカーとジャンルによる差なんだよね)体験していて、それらを踏まえて作られているんだね。そりゃそうだ、今開発している人たちは突然現れた、当時を知らない、または知ろうとしない人たちじゃないんだよね。成果を要求される仕事としてやってんだし、まじめにやってるよ。オタクおじさんじゃないもの。

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