江戸時代の図書流通
長友千代治 著
図書館でたまたま見かけたので借りて読んだ。江戸時代の本屋についても知りたかったのでちょうどよかったのだ。
徐々に本や本屋に関する当時の絵に書かれた文を現代文に翻訳することにほぼ終始していて、資料としてはよいのだろうけど、読むにはしんどかった。読みづらかったといってもいいだろう。とはいえ、本は売るが先か作るが先かと問うならば、作るが先で、元々出版と小売がくっついた状態で始まり、むしろ出版社が小売りしている。で、現代と同じように海賊版に悩まされたりその改訂版を勝手に作られたり。その対策として本屋組合が出来、その組合に加入していないと小売できないルールを作ったり。
そして本屋は最初から本だけ売ってたのでなく、なぜか薬も売っていたり。本が売られるようになって独学できるようになることも大きかったらしい。独学っていうよりも学ぶことが出来るようになった。ハウツー本が売れ線だったのは今でも似たところがあるね。
根本的なこととして、部数が少ない千部も無い。何故か。印刷方法の問題だ。江戸時代に輪転機もオフセット印刷機も無い。本がある、本屋がある。出版社があるといった、現代と同じようなものがあるからといって、同じようなスピードや量は無く、同じものとして考えないほうがいいなと思った。それでも何も無いところに本が発明され、出版社が出来、本屋が発生したのは物凄く大きな出来事だったと思う。
ということで、本の流通についても知りたいと思ったし、もうちょっと詳しく江戸自体の本と出版について知りたくなったね。