影武者(1980年 日本 監督/黒澤明)
やっとクライテリオン版を見れた。
カラーになってからの黒澤監督映画はパワーダウンしているように感じていたが、それは見ていなかったからだ。五回くらい見るとカラーになってからも良さが見えてきた。物語を追うことを止めると大切な部分が見えてくるのかもしれないね。
武田信玄が死ぬシーンは印象的でも死んでる場所はみすぼらしい道中だ。死ぬときはあっけないものだね。
織田、徳川のスパイが狂言廻しのようにはならず、ただスパイとして登場する。
ちょいちょい背中を向ける人が登場する。
織田信長の前立が蜻蛉だった。以前から織田信長が蜻蛉の前立ての兜を身につけていたのは知っていたが、いつ使われたのか分からなかった。ググッても出てこないどころか、信長の前立てとしても出てこない。ネットで見たんだけどな。で、実際に長篠の戦いで使われたかも分からない。
蜻蛉は勝ち虫とも呼ばれていて、前にしか進まないから、雄略天皇がアブに刺されたときにそのアブを咥えて飛んでいったので、敵をやっつける印象があることで、縁起が良いとされているのだそうです。
だから仮面ライダーV3は蜻蛉がイメージソースなのか。たぶん偶然だろうね。
クライマックスの合戦シーンのあと、兵士と馬がばたばた死んでいき、それと無関係に歩いている馬のシーンが長くて怖かった。倒れている馬はどうやって撮ったんだろうね。雑兵に紛れて死んでいる大滝秀治さん演じる山縣昌景の無残な感じも良かった。無残てのは違うか。死んだら階級は関係ないね。