バンドネオン/小川紀美代、パーカッション/東洋治郎
2016.5.17@龍福寺マルシェwith月曜マルシェ
久しぶりにライブを撮ったので、お馴染みのメイキングを書きます。
作ってからちょっと間が開いて、facebookなどで他所の人があれこれ感想っぽい事を書いてるのを読んで、僕が思っていることなどと全然違っているのがおもしろかった。
自分がメイキングを書いてしまうと、面白さもなくなってしまうかも知れないと思って残念に思い、書くのを躊躇していました。
で、これから書きます。
2016年5月17日に岐阜県富加町にあるお寺、龍福寺にて龍福寺マルシェwith月曜マルシェという、フリーマーケットの豪華版みたいなのがありまして、縁あってフライヤーとか写真とか撮ってよみたいな事になり、ちょっと協力しました。
フライヤーは、これ。
撮影は方針、テーマが見えないままとりあえず撮っていれば見えてくるだろうと思って始めました。僕が参加者とコミュニケーション取れてなくて物事を紹介するということからは遠くなってしまった。久しぶりに撮ると緊張ばかりだね。
撮影はDSLR。すばやい動きには全く対応できない仕組みですけど、カメラが動かなければ工夫できる範囲なのでこれでやりくりしてます。思ったよりレンズは換えませんけど、ここで500mmあったらという時にはやはり重宝します。音は外付けマイクをつけてます。RODEの安い奴なので気休めですけどね。モノラルになるので後で編集するときに楽かもしれない。カットごとに音の位相が不安定になることが無いからね。MAなどでモノラルに変換すれば解決するけどさ。まぁ余分な仕事はやらない主義なので。
そのほかの道具は一脚に自作の液晶フード。一脚は選挙のドキュメンタリーからずっと使っていて、カメラを安定させるのに重宝しています。うちはビデオ用のもののクイックシューの間に少し大きめの自由雲台を取り付けています。液晶フードはライブビューが日差しで殆ど判別つかないので、ネットで探したのですが、液晶フードをファインダーの互換状態するものばかりだったので、材料を買ってきて自作しました。まだ試作段階で修正点を改良したものをきちんと作る予定です。
てな道具でもたもた撮ります。
メインのライブは更にどうしていいやらで、またまたもたもた撮りました。そうだ、三脚を立ててた。ビデオ用です。Vintenとかそういうんじゃないです。安くて懐かしいDVカメラ用。業務用ビデオカメラ以下の重量と大きさなら過不足なく対応できるので重宝しています。
ライブハウスなどではステージと客席の間の柵の中など比較的自由に動ける空間がありますが、ここはお寺の特設会場なので、客席との間にそういったものはありません。ですので、客席の少し後ろ辺りに三脚を構えます。でも望遠ズームがあればもっと下がれたなあ。反省だ。もう一つ反省は三脚を立てると動けない。動いたって構わないが、お客さんが周囲にいるので、動くと凄く迷惑なんだよね。それなので、途中から三脚は諦めて客席一番前の端で構えました。それでも立ち上がれないのでしゃがんで撮ります。見てる客以外に撮ってる客もいまして、今回は撮っても良かったんです。そうなると気にしてしまって撮れない。仕事で別のチームが入っても、僕は撮らなくていいじゃんかとか思ってしまうので、できればそういうのは無しのときに撮りたいんだよね。かといって進言するほどに自意識持ってるわけでもなく、撮ってるときはあんまり物事考えていなくて、少し指摘されるとしょんぼりして戦意喪失するくらいですよ。だから撮り始めたら黙っててもらいたいんだよね。その為に一生懸命準備したい。
演奏のRECに関してはお任せだったので、どのような状態でもらえるかわからないまま、まぁなんとかなるだろうと託しました。音響は毎度お任せで、全然やらないわけではないけど、音楽の素養の無い人があれこれ言っても仕方が無いのでね。
ただフェードアウトしてるのは初めてだったので、再生してどうしようかちょっと笑ってしまった。
やっと実際のメイキングです。
素材が揃ったら、編集ソフトのタイムラインにばーっと並べて音に合わせます。あとはいつもと同じです。マスターショットを仮定してそれに対してインサートするように編集します。
本来のマスターショットとは違い、編集の時点でマスターショットと指定しているに過ぎません。インサートはその名の通りのインサートなので同じです。
それで問題としてはマルチカムで撮影していない場合は、単にライブ全体を撮っているだけなので、音と映像が合っていることはないのですね。
今回は撮る段階でそういう打ち合わせはしていなかったですけど、カメラは一台ですし、僕も一人なので、ライブ全体を撮って音に合わせて編集する以外にやりようがないのです。
並べた映像の何をあわせるかというと、雰囲気とタイミングです。で、全部の映像が全く合っていないわけではなくて、合っている絵もあるのです。それをマスターショットとするのですが、必ず使う部分がありまして、それは曲の印象が強い部分と絵のアクションが大きい部分です。あ、必ずじゃないな、でも出来るだけ使うようにします。なんだかというと人は重要な要素の情報密度が高いと納得、安心するからです。単なる人の顔の絵で目元を集中して描き込み、他はざっと描いた程度でも全体に描きこんであると認識するのです。それの応用で、曲の最初やサビなどの頭の部分など目に付きやすいカットをリップシンクまたは手の動きなどを合わせます。他は雑でも良い訳じゃないです。その他は雰囲気だけ合わせます。こうするとマルチカムで撮影しなくても映像として作りこむ事が出来ます。そうは言っても絵と音が違うものなので記録にはなりません。あくまでも映像でしかないんです。
このやり方は今回初めてじゃなくて、ずーっとやってます。一人で撮ってるのでこうなったのです。固定カメラを複数設置すればいいじゃないかといわれても、金が無いんだよであり、必ずfixのカメラが使えるわけでないのです。きちんとリハをやり、そのリハ通りに演奏、動くのならそれも良いでしょう。しかしライブです。ほぼリハ通り動きません。今回は客は着席しているし、演者も座っているのでまだましですが、ロックバンドなどでは客の動きは本番まで分かりませんし、バンドもおおよそは想定できますが、細部までは分かりません。自分だって殴られたり物が飛んできたりに対応しながらの撮影なのに、固定カメラの生死を毎回心配しながら撮影は精神的に堪えますw。ライブなのでロックじゃなくてもリハ通りの演奏とか面白くないでしょう。
今回のライブ映像の音と絵は今回もずれてんじゃん問題は、そもそもフリージャズみたいな状態の曲なので、RECした状況のテイクしか絵は合いませんのに、そのテイクが二部目で小川さんが演奏用の衣装じゃないんですよw だから合わせようが無いんですな。
そして毎度のカラコレというかグレーディング。映像を作り始めの頃は画質の低さをカバーするためにあれこれいじっておりました。カメラを変えるごとに画質が上がり、もう画質を気にする事も無いはずですが、映像の印象とか撮ったままの生っぽさが気になってしまい、やっぱりあれこれいじっています。生っぽいといっても撮ったそのままが実際の色味とは違うし、そうだったとしてもカメラやレンズメーカーごとに色味の癖があります。SONY製だといつまで経っても赤みがあります。そういうものなのです。
うちはずっとSONYでしたがDSLRからはCANONです。
といった毎度、ずーっと同じような事を書いていまして、そろそろ違う方法論で何とかしてはどうかと思ってはいても、なにぶん相手があることですし、今のやり方も説明と理解してもらうことがまぁまぁ厄介なわけで。簡単な方法は僕は有名になればいいんですけどね。解決方法としてはめちゃくちゃなんですが。
龍福寺マルシェwith月曜マルシェの雑感も小川さんのバンドネオンに乗せて編集しました。