カメラの位置と角度。

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どこのブログでも書いてるローアングルとローポジションの違い。アングルは角度でカメラを向ける角度、ポジションはカメラの位置。ローは低いってことで解決してしまったのですけど、これでは実感がわかないので作ってみました。まずカメラをモデリングします。適当に四角を描いとけばいいものをわざわざ作ったのはオブジェクトの在庫が欲しいからです。とはいえ相当荒っぽい作りです。更にそのままだと今回は小さくて見えないので拡大しています。
被写体とセットは自作のOCTA ORCAです。自分でも懐かしくなっています。セットの壁などが足りないので適当にコピーして広げます。レンズは50mmに設定しました。出来るだけカメラの位置と角度だけ変更するようにしました。

これはアイレベル。OCTA ORCAは2メートル程度の身長です。で、カメラをだいたい人の目の高さの位置にするとOCTA ORCAと目が合います。

カメラと被写体の位置をサイドから見た絵です。

アイレベルのアングルのままカメラの位置を下げます。低い位置にカメラを構えるのでローポジションです。

しかし、このままでは足元しか撮れないのでアイレベルとだいたい同じような構図になるように角度を調整するとこれです。

何も変わっていないように見えてしますますけど、視点が下がったことで上がやや広くなって絵が安定していると思います。ほとんど同じだけど違いはあとから分かってくる感じです。

今度はカメラの角度を見上げるくらいの急角度にします。ローアングルです。天井しか見えないので、位置を調整してやはりアイレベルで見えているような構図になるように位置だけ調整します。

28mmなど広角にすると持っている武器など奥行きがあったり、羽やレーザー砲など放射状に配置されているものがワイドになるのでよりケレン味が出ると思う。広角になるとカメラはもっと近づかないとこれと似たような被写体の位置関係にはならないです。

どのアングル、ポジションでも同じように見える位置に修正したので、絵の感じは変化が小さいけど、少しカメラの位置を考えると少しずつ安定したり絵の力強さになったりするんじゃないかと思っています。

唐突にローアングルとローポジションについて書いているのは、ローポジションでカメラを構えていてもローアングルで撮っていると言われたことがあったからです。カメラに詳しくない人でしたが、もう世の中は社会人ならカメラを持っていない人はいないくらいに撮影できる機械が浸透しているので少し覚えておくと良いと思ったからです。注意するにしても正確にね。

ポジションとアングルを変えた三枚を再度並べておこうか。
アイレベル。

ローポジション。

ローアングル

ローアングルで撮ると格好良い気がするのでカメラに慣れてくるとローアングルで撮りたくなっちゃうけど、最初だけだよ。被写体が大きいとローアングルでしか撮りようがないが人撮ってるときなど鼻の穴を必死に撮りたい人になってる場合もあるから気をつけよう。それよりもカメラをウエストあたりで構えで少し上を向ける程度のローポジションを覚えるといいと思う。昔の二眼レフカメラを構える感覚だ。と言っても僕も二眼レフカメラを持ったこと無いけど。かと言って一々ローポジションを意識するのはフルタイムで撮影しているわけじゃないから難しいと感じてしまう。なによりローポジションとかローアングルとか勉強みたいで嫌になるかもしれない。そういうときは子どもの視点で撮ると考えてみよう。ウエストレベルは大体小学校低学年の目の高さくらいだ。子供が少し見上げる感じを意識するといいんじゃないか。

ローポジションといえば小津安二郎先生だ。中二くらいのときには音楽室の肖像画みたいな構図のポートレイトが切り替えしてセリフを言う、古いと言うより変な映画と思っていた。良さは全くわからなかった。今も同じキャストで同じような役で同じような内容を繰り返すのが面白いとは思えないのだが。日本の家族や生活を描いていると言っても娘の結婚の話題(しかし結婚はしない)が中心で今となってはジェンダーに配慮されていなかろうがわかり易い男社会を自然に描いているわけでないし、その娘もはっきり自分の意志を明確にしている感じがあんまりないんだよね。何故結婚したくないのかあんまり言わないんだよ。凄く楽しいとか面白いかは本当に謎なんだけど、作家性が強烈であることは理解できる。わからないことだらけなのでまだまだ学ぶことろがある。小津は50mmを多様していると言われているが、いや、50mmなんだけど、映画の35mmフィルム用なのでスチル用だとおおよそ80mm換算になるようだ。ということは、APS-Cに近いからDSLRで映像撮るならAPS-Cが良いってこと?そうなのか?ともかく、やや望遠気味のレンズで撮影していたってこと。80mmでも大きく煽るローアングルだと上方にパースが付いてこれを歪む問場歪むことになる。しかし小津映画では画面が歪む印象は無い。むしろすべてが平板になるように水平垂直に線が走る。80mmなので望遠の圧縮効果もそんなに無いから背景が迫ってくる密度感も無くて、普通といえば普通の絵が出来上がる。小津の作家性や特異性はこの普通のなんでもない絵を作ることじゃないかと思ったり。まだわからないけど。しかし、人の見る自然な画角は50mmからやや広角に向かう40mmくらいでそれとは反対の画角なんだよね。レンズは歪んでも人の目は仮に歪んでいても脳内で補正しているから80mmくらいの歪の感覚(歪と言っているがほとんど歪んでいない)を優先しているんだろうね。

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