線を整理し過ぎる件。

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大昔にデザイン事務所にいた時にアニメや漫画的なタッチやセル画的な塗り方を全否定されて結構大変でした。
アニメや漫画のタッチは好き嫌いはともかく、押し出しが強いので広告にはむていると思ったんだけどな。

今はアニメ調の絵が広告や絵本などでも使われていて、まぁそうなるだろうなと思っていた。セル画調ばかりではよくないが選択肢の一つになっていることは良いことだと思う。
仕方ないんで言ってる人の描く、おっさんが描いたポンチ絵みたいなタッチで描いていた。
デザイン事務所にいた時に上司の描く絵に合わせていたのだけど、これまた困ったことがあって。
線を整理し過ぎるのだ。
例えば笑顔で口の上のラインを気持ち反った曲線にしたら直線に直させられた。そういう時もあるだろうが、線画でなくても小さなニュアンスが表情や絵を作っていることが大いにある。
小さなニュアンスが絵や表情を作るのは印刷物などだけでなく、大きな壁画でも同じで、10m四方の壁に5mmくらいの点やずれでも影響はあります。むしろ自分たちで描いていて痛感しました。
上司の絵に合わせないとOKが出ないので合わせていたが、自分の後から入社した新人は青山剛昌さんに似たタッチで僕は好きではなかったが、名探偵コナンは大人気だし、絵として強さがあるのでポーズやサイズなどを伝えるだけにしていた。(コナンの絵柄が好きではない理由は線が刺々しく、瞳の書き込みがカリカチュアライズしすぎて表情をつけづらく、単体でセリフを伴った記号として描くには問題なくても広告などで使うには自由度が制限されるからです。版権ものとして任意の場所に配置することとは別です。)
自分と同じというか上司に似せていたので上司の絵柄である必要はないし、自分が好きでなくても過不足なく描けているならそれでいいと思ったからだ。上司の絵柄で仕事をもらっていれば別だけど、すでに手が違うので別人が描いているのはバレると思う。件の若手もいつまでもコナンのタッチでは困るが、困ることは自分で気づいて欲しいと思った。何故困るのか、何故自分で気づかなければならないのかわからない様ではやっていけないでしょう。

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