のぼうの城(2012年 日本 監督/犬童一心 樋口真嗣)
とぼけた大将が300的な劣勢で多勢に勝つ話。300は進撃、こちらは迎撃の篭城戦。甲斐姫(榮倉奈々)や酒巻靭負(成宮寛貴)などが借りてきた人みたいに見えるのは、別のドラマやTVCMなどでよく見かけるからだと思う。水攻めシーンが震災の影響を考慮して幾分カットされたようで、決定的な迫力は見ることが出来なかった。配慮は必要だと思うけどさ、作り物に負けるほど現実の人は弱くないと思うよ、だから現実に負けないように作り物を作るんだしさ。
申し訳ないことに田楽踊りの後くらいからうつらうつら寝てしまったんだよ。ラストの何かが終わったあと、皆がおつかされま的な挨拶をしている頃に目が冴えてきました。見てる部屋が寒かったり、ストーブが熱かったり、そんなのが理由で映画の内容が凡長だからとかそういうわけじゃない。
農民とのぼう様が、死ぬかもしれない、自分の田が戦場になるかもしれないことに仕方が無いといえる、決定的なものが感じられなかった。仲がいいのは分かったよ。でも仲がいいだけじゃ、戦争することに同意できないよ。
石田三成(上地雄輔)を嫌がる感想を映画レビューなどで見かけるけど、それは演じる上地さんの他の仕事やTVでの立ち振る舞いを役に投影して見ているからじゃないかな。つまり、上地ムカつくみたいな。日本一、世界一の演技ではなくても与えられた役は出来ていると思うし、監督がOK出してる訳だから僕は良いと思っている。まあ営業上の何かがあるときもあるけど、今回はそういんじゃないだろう。じゃ、監督がOK出してたら何でもOKかといえば、OKだね。映画はそういうものだと思ってみています。
それでも、この映画は主演の野村萬斎さんの映画だよね。狂言で時代劇映画をやるっていうね。