フランケンシュタインの怒り(原題/The Evil of Frankenstein)(1964年 イギリス 監督/フレディ・フランシス)
ハマーの三作目。このThe Evil of Frankensteinから物語としての継続はなく、かといって完全に別の話でもなく、という物語。
最初からそうなんだけど、フランケンシュタインという話は真面目すぎていかれている博士と、博士よりは常識的な助手の大失敗物語をシリアスに描くと思えば大体あってます。
今回もバンバン死体を集める博士は実験よりも死体を集めること自体に喜びを感じているんじゃないか、もう実験は要らないんじゃないか。それくらい死体収集に熱心です。しかし、あくまでも博士は人造人間を作り続けます。こちらも一体では飽き足らず、毎度シリーズごとに理由はともあれ、新規に一体作ってます。このシリーズの中の人造人間は全く新しい生命体としての人を創造するのでなくて、継ぎ接ぎした死体に生きている脳を移植することで脳を人間として再生することです。映画のキャシャーンの新造人間と称していた人たちみたいなものです。
人造人間の造形はユニバーサルのフランケンシュタインの怪物のデザインに近く、行動も似通ってるかな。でもそれはあんまり物語に影響しないんだ。なにせ研究熱心な博士の話だからな。
今回は博士の金銭事情や腹が減ったとか生活臭の分かるような話題が登場する。また、結構癇癪持ちでそれが元でトラブルも起こしている。この辺りのキャラクター設定は毎回微妙に違う。
メイドに相当するキャラクターはレナという唖の乞食だ。障碍のある人は人造人間と対比か心を通わせる者として毎回登場する。
博士は十数年前に作った人造人間を警察に追われ、山から落ちて失っている。レナのおかげで、人造人間を発見することが出来た。この辺りのくだりは低予算とカリカチュアライズのせいか、都合が良すぎて雑に感じるが、そもそも毎度続編を作りづらい終り方なのに続けているので仕方が無い。
今回はこの人造人間が怪物に相当する。これを再起動させたいが電気では動かず、催眠術師に依頼して催眠で目覚めさせる。この催眠術師が人造人間に盗みや暴行を働かせ、怪物にしてしまう。
それが元でクライマックスの研究所での怪物の大暴れになり、助手ハンスとレナを逃がすが、怪物と博士は研究所ごと炎に包まれるのだった。
物語は時間が来れば自動的に完結するけど、キャラクター達は散漫に見えた。特に博士が自分と無関係なうちに事件が起こりトラブルに巻き込まれているので、間抜けというかね、失敗するところが違うじゃないかと。